2016
11.16

ねこのおうち、屍鬼

Category: ■読み物
いよいよ寒くなると、羽布団の上で丸くなるうちの猫ら。
体の上にのっちり乗られると、漬け物石が乗っているようで身動きがとれない。。。


ものすごく久々に柳美里さん。
「このひとは猫が好きで、猫が身近にいるのだろうな」と思うわ。文中に愛情あふれてるもの。
冒頭のおばあちゃんによりそうニーコの話にもう涙がにじんでしまって、通勤途中で読んでいた私は大後悔。人間の身勝手で捨てられ、生きるために必死な猫に躊躇なく毒団子を食べさせるひとって実際にいるんだろう。たとえ野良たちに安心できるおうちを与えてあげたくても、すべての野良猫を引き取って世話できる訳じゃない。去勢や避妊手術を施して繁殖しないようにし、細々と一代限り地域猫としてひとと共存する、それすらも許されないのかなあ。
うちのも保護されたのを里子にもらった子。どれだけのぬくもりと癒しをもらっていることか。
本を読んで切なくなってしまってぎゅっと抱きしめた。


長編をがっつり読みたくなって、再度借りた本。
最初に読んだのはもうずいぶん前のことなので、「読み応えのある吸血鬼の話」としか覚えてなかった。村に火が放たれる冒頭や、主な登場人物である「医者」「僧侶」「少年」などに、あれ?と思う。村がじわじわ包囲されていくこのストーリーはまさしくキングの「呪われた村」そのものなんでは?本をひっくり返すと、題名の横に「-To 'Salem's Lot」って書いてある。小野さん的キングへのオマージュなのだとか。道理で藤田新策さんの書籍装画。
前回も気がついたはずだけど、すっかり忘れてしまってたワ。おかげで新作のように楽しめるってもんで(笑)。


新刊で読んだのはずいぶん前のことだわ。村人が反撃に出るのって、こんなに遅いタイミングだっけ?数週間かけて駆逐したと思っていたわ。起きあがったひとたちは、無差別にひとを襲うモンスターになる訳ではない。人間だった時の記憶もあり、喜びもし嘆きもし、恐怖や怒りの感情も持ったままなのだ。彼らが先のないトンネルで、ひとによって次々狩られていく時の恐ろしさといったら、本当にリアルだ。
僧侶である室井静信は、幼なじみである医師の尾崎先生を責めたけど、私はまったくもって尾崎先生の側の人間だなあと思う。起きあがったのがたとえダンナであっても躊躇せず殺すだろうし、先生が蘇った奥さんを実験体にしたのも理解できるわ。まったく静信君ときたら、夜な夜な益体もない小説を書きつづり、まわりの迷惑を顧みず自殺を図り、くどくどと考えてもしょうもないことを考え続ける。読んでていらいらするったらない。
尾崎先生は合理的だし!考えるよりも行動が先に出るし。冷静沈着なところも、いささか俺様なところも好みだ。
大体さ、「どこから来てどこへ行くのか」やレゾンデートル的なことは、生きる上でなんの役にも立たないっていう。悩んでたら何か変わるのかね。
静信君が沙子ちゃんを助けて姿を消す結末は、まったくもって腹立たしいわ、ぷんぷん。

この小説は漫画化されたのを少しだけ読んだことがあるけど、ぜひ実写で観たいな。映画化されんかなあ。
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